当座比率とは？
当座比率とは、現金化されやすい当座資産に対して、流動負債（一年以内の負債）がどれくらいあるかを表す数値です。
当座比率の目的
当座比率は、短期的な支払能力を分析する目的で使用します。流動比率と目的は同じですが、流動比率は棚卸資産（売却しなければ現金化できない）が入っているので、より現実的なのが当座比率です。流動資産の中でも当座資産（お金に変わりやすい資産）で計算を行います。
当座比率が100％より高い・・・流動負債より当座資産が多いので、返済が可能。
当座比率が100％より低い・・・当座資産より流動負債が多いので、返済するお金が足りていない。
当座比率の計算式
当座資産とは？
当座資産とは、換金が簡単な資産のこと
当座資産の種類
・現金預金・・・現金・普通預金・定期預金・定期積立金など
・受取手形・・・受け入れた手形債権
・売掛金・・・まだもらっていない売上金
・売買目的有価証券・・・ 売買目的で保有している株・債券などで、決算日の翌日から1年以内で満期が到来するもの
・短期貸付金・・・1年以内の返済期間で貸付けた金銭
流動資産と違い当座資産には、棚卸資産は含みません
流動負債とは？
流動負債とは、1年以内に返済しなければならない債務のこと
流動負債の種類
・支払手形・・・ 代金を後々支払うことにした手形債権
・買掛金・・・仕入れに対しての、まだ支払っていない代金
・短期借入金・・・1年以内に返済期間の借入金
・前受金・・・商品・サービスを提供する前に受け取った前払いの代金
・未払金・・・仕入れとは違うものに対しての、まだ支払っていない代金
・預り金・・・従業員・取引先などが負担すべきお金を会社が一時的に立て替えて支払った時
などがあります。
当座比率の目安
会社の規模や業種によって異なりますが
120％以上・・・優良企業
90％以上・・・一般的に短期的には安全である。
70％以下・・・支払能力に不安がある。
当座比率の改善
当座比率を改善するには、当座資産を増やすか、流動負債を減らすことです。改善方法は流動比率と基本的には同じになります。
当座資産を増やす
・不要な固定資産（土地・建物・車両等）を売買して現金にする
・利益を出して、現金・預金を増やす
・新株発行し現金を増やす
流動負債を減らす
・短期借入金を長期借入金に借り換える
・固定資産の購入を必要最低限にする
短期的に流動比率をよくするには、不要な固定資産を売却して、短期借入金を長期借入金に借り換えすることが効果的です。長期的には、やはり継続して利益を出し現金・預金を増やしていく必要があります。
当座比率の落とし穴
当座比率には、気をつけなければならないことがあります。
不良債権・・・不良債権を流動資産に含めている場合があります。不良債権は回収できないので、流動資産から処理をしましょう。
有価証券含み損・・・賃借対照表には購入したときの価格になっていますが、時価に変えると価格が違うので、時価に変えて計算を行いましょう。
め
当座比率では流動比率より、短期的な支払能力がわかります。流動比率とは、違うのは、棚卸資産が含まれていないため、より短期的な支払能力がわかります。会社経営では、お金が回っていることがとても重要です。支払能力がなければ黒字でも倒産してしまいます。当座比率を上げて、倒産リスクを下げましょう。
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