雇用契約と労働契約とは?

労務、経理関係

雇用契約と労働契約とは?

雇用契約とは

従業員になろうとする人が労働に従事し、使用者がそれに対して報酬を支払うことを合意する契約

従業員の立場を守るために民法によってある程度のルールは定められていますが、契約成立に書面の作成が義務付けられているものではありません。

なので雇用契約は口頭でも成立します。

しかし、口頭での雇用契約成立の場合は、何か問題が発生した場合など、「言った」「言わない」で困ることが多いです。なので雇用契約書を作成しましょう。

また雇用契約に対して「労働契約」があります。

労働契約とは

労働者が使用されて労働し,使用者がこれに対して賃金を支払う契約

雇用契約と労働契約は似ているが少し違う点もあります。

雇用契約と労働契約の違い

雇用契約労働契約
使用者全て事業・事務所
法律民法623条 労働基準法9条

雇用契約書とは

使用者側(会社)が従業員になる人と雇用契約を締結するときに、労働条件について合意の内容を記載する書類です。

雇用契約書にはどのようなことを記載するか?

決められた様式はありませんが、労働条件通知書を参考に同じような事項を記載すればいいです。

契約期間  正社員はなし、期間がある派遣等は期間を記載
就業場所
 勤務地、勤務地が変更する予定がある場合は記載
業務内容
  仕事の内容
就業時間
始業・終業の時間
休憩時間
  6時間を超え8時間以下の場合は45分間
8時間を超える場合は1時間の休憩が決められています。
休日 1週間に1日、または4週間に4日決められています。
有給、育休等について
賃金
給与の計算方法、締め日、支払日など
退職
    定年退職について、辞職するときについて、解雇事由など。
交替勤務 交替の勤務がある場合に記載  

上記の内容は記載したほうがいいです。また退職手当、賞与等も記載しておくと従業員とのトラブルを避けられます。

労働条件通知書とは

雇用契約を結ぶ際に、 使用者側(会社)から従業員になる人に労働条件について明示するための書類です。雇用契約が成立したら主要な労働条件を労働者に明示することを使用者は義務付けられています。

義務のある事項とは

1.労働契約の期間に関する
期間の定めがあるのか、ないのかを明示

2.労働期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項
期間が定めがある場合は、期間終了後に労働契約を更新する場合は明示

3.就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
始業・終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を 2 組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項

4.賃金
賃金の決定、計算・支払の方法、賃金の締切り・支払の時期並びに昇給に関する事項

1~4までは重要な労働条件であるため、労働者への書面の交付が義務付けられている。

5.退職に関する事項(解雇の事由を含む)
退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払いの方法並びに 退職手当の支払の時期に関する事項

6. 臨時に支払われる賃金
賞与等並びに最低賃金額に関する事項

7.労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項

8.安全及び衛生に関する事項

9.職業訓練に関する事項

10災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項

11.表彰及び制裁に関する事項

12. 休職に関する事項

5~12までの事項については、使用者がこれらに関する定めをしていない場合は、明示しなくてもいい。

雇用契約書と労働条件通知書の違い

雇用契約書労働条件通知書
作成任意義務
同意必要不要
法律⺠法第623条 労働基準法第15条

雇用契約書を作成しよう!!

雇用契約書の作成は不要ですが、労働条件通知書は会社側から一方的に送る書類です。それに対して雇用契約書はお互いの同意が必要になるので、お互いに理解をしたうえでの雇用契約になるので、トラブルが起こりにくくなります。
少し手間ではありますが、作成し雇用契約をしましょう。

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