一般貨物自動車運送事業を始めるには

貨物運送事業法関係

一般貨物自動車運送事業とは

【貨物自動車運送事業法第2条】

他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車を除く。)を使用して貨物を運送する事業であって、特定貨物自動車運送事業以外のものを言います。

他人、会社の依頼を受け貨物(荷物)を運送し運賃を受け取る事業のことを言い、 一般貨物自動車運送事業を経営しようとする者は、国土交通大臣または地方運輸局長の許可が必要となります。

一般貨物自動車運送事業を始めるのに必要な要件

営業所

【使 用 権】

申請者が、建物について1年以上の使用権原を有するもの

・自己所有は3ヶ月以内の登記簿謄本等
・借用は契約期間が1年以上の賃貸借契約書等の提示、写しの提出(賃貸借契約が1年未満であっても、契約期間満了時に自動更新されるものはOKです)

立 地 条 件】

都市計画法、建築基準法、消防法、農地法等関係法令に違反しないものであり、その旨の宣誓書の提出があること。

【規 模】

事業の遂行上適切な規模
「適切な規模」とは、約10㎡以上の広さ(10㎡未満のものは、机、椅子、電話等の営業上の対応を行う設備(計画)を有し、運行管理等事業遂行上支障ないもの)

事業用自動車

車 両 数】

営業所に配置する事業用自動車の数は5両以上
けん引自動車+被けん引自動車=1両
共同使用に係る事業用自動車については、当該営業所を使用の本拠とするもの以外は算入しない

【使 用 権】

・自社保有車両により確保する場合は、自動車検査証
・購入による場合は、車両売買仮契約書
・リース契約による場合は、契約期間が概ね1年以上であるリース契約書写

【構 造】

計画する自動車の大きさ、構造等が輸送する貨物に対し適切なものである

自動車車庫

【位 置】

原則として、営業所に併設するものであること。併設できない場合でも営業所から直線距離でおおむね10㎞以内(地域によって20km以内、関東圏の一部は5km以内)の場所にあること。

【立 地 条 件】

1.出入口の前面道路の幅員が車両制限令に適合し、かつ、交通安全上支障がないものであること。 2.出入口の前面道路が国道の場合にあっては、原則として当該幅員が車両制限令に適合しているものとみなす。
3.都市計画法、農地法等関係法令に抵触しないものであり、その旨の宣誓書の提出があること。

【収 容 能 力 】
1.車両と自動車車庫の境界、車両相互間の間隔が50cm以上確保され、かつ、計画する自動車のすべてを容易に収容できるものであること。
2.他の用途に使用される部分と明確に区分されるものであること。
3.共同使用に係る事業用自動車については、使用の本拠たる営業所において自動車車庫が確保されていれば、当該共同使用に係る他の営業所においても自動車車庫が確保されているものとして扱うものとする。
【使 用 権 】
申請者が、土地について1年以上の使用権原を有するもの
自己所有の場合は、発行後3ヶ月以内の登記簿謄本等、
借用の場合は、契約期間が概ね1年以上の賃貸借契約書等の提示又は写しの提出をもって使用権原を有するものとする。(賃貸借契約が1年未満であっても、契約期間満了時に自動的に当該契約が更新されるものと認められる場合に限っては、使用権原を有するものとする。)

休憩・睡眠施設

【位 置】
原則として、営業所又は自動車車庫に併設するものであること。営業所、自動車車庫に近接し通常徒歩で連絡できる場所に設置するものは、営業所、自動車車庫に併設されたものとみなす。

【規 模】
乗務員が常時有効に利用することができる適切な施設であり乗務員に睡眠を与える必要がある場合には、少なくとも同時睡眠者1人当たり2.5㎡以上の広さを有すること。

【使 用 権】
申請者が、建物について1年以上の使用権原を有するもの
・自己所有の場合は発行後3ヶ月以内の登記簿謄本等、
・借用の場合は契約期間が概ね1年以上の賃貸借契約書等の提示又は写しの提出をもって使用権原を有するものとする。(賃貸借契約が1年未満であっても、契約期間満了時に自動的に当該契約が更新されるものと認められる場合に限っては、使用権原を有するものとする。)

【立 地 条 件】
都市計画法、建築基準法、消防法、農地法等関係法令に抵触しないものであり、その旨の宣誓書の提出があること。

運 転 者

事業計画の遂行に十分な員数の運転者が確保できるものであること。 確保する運転者は、貨物自動車運送事業輸送安全規則第3条第2項に違反する者でないこと

営業所に配置する事業用自動車の数は5両以上+必要な運転者の常時選任

なので5人以上の運転者が必要になります。

運行管理者

営業所ごとに、安全規則第18条により義務付けられる員数の貨物自動車運送事業法第19条に規定する資格を有する常勤の運行管理者が確保できるものであること

運行管理体制

事業の適正な運営を確保するために、次の管理体制を整えておくこと。

・車両、事業計画を適切に遂行するため必要な員の貨物自動車運送事業安全規則第3条第2項に適合する事業用自動車の運転手を、常に確保できるものであること
・運行管理の担当役員等運行管理に関する指揮命令系統が明確であるこ と
・勤務割、乗務割が年国土交通省告示第1365号に適合す るものであること。
・自動車車庫が営業所に併設できない場合は、自動車車庫と営業所が常時密接な連絡をとれる体制を整備するとともに、点呼が確実に実施される体制が確立されていること。
・事故防止についての教育及び指導体制を整え、かつ、事故処理、自動車事故報告規則に基づく報告等の責任体制について整備されていること。

整備管理者

事業用自動車5両以上の使用の本拠ごとに、規定の資格を有する常勤の整備管理者が確保する。

規定の資格とは?

・整備管理する自動車と同種類の自動車の点検、整備、整備の管理に関して二年以上実務の経験を有し、地方運輸局長が行う研修を修了した者であること。
・自動車整備士技能検定規則の規定による一級、二級、三級の自動車整備士技能検定に合格した者
・前二号に掲げる技能と同等の技能として国土交通大臣が告示で定める基準以上の技能を有すること。

ただし、一定の要件を満たすグループ企業(会社法(平成 17年法律第86号)第2条第3号及び第4号に定める子会社及び親会 社の関係にある企業及び同一の親会社を持つ子会社をいう。)に整備管理者を外部委託する場合は、運行可否の決定等整備管理に関する業務が確実に実施される体制が確立されていること。

危険物取扱

石油類、高圧ガス、毒物、劇物等危険物の輸送を行うものにあっては、消防法関係法令に規定する危険物取扱者等の有資格者が確保できるもの者であること。

資金計画

事業開始には、一定以上の自己資金が必要になります。

一 定 以 上 の 基 準 と は ?】

人件費 役員報酬・給与・手当の2か月分
燃料費・油脂費(オイル等)2ヶ月分
修繕費2ヶ月分
車両費取得価格(分割の場合は頭金及び6ヶ月分の割賦金)または6ヶ月分の借料
建物費取得価格(分割の場合は頭金及び6ヶ月分の割賦金)または6ヶ月分の借料
土地費取得価格(分割の場合は頭金及び6ヶ月分の割賦金)または6ヶ月分の借料
器具、工具、備品等取得価格(割賦未払金を含む)
保険料自賠責保険、任意保険、危険物を取扱う運送の場合は、当該危険物に対応する自賠責任保険料のそれぞれ1年分
各種税自動車税、自動車重量税のそれぞれ1年分、自動車取得税・登録免許税
その他道路使用料、光熱水料、通信費、広告宣伝費等の2ヶ月分

自己資金は、当該申請事業に係る預貯金の額とする

資金調達

1.所要資金の見積りが適切なものであり、調達について十分な裏付けがあること。
2.自己資金が、申請日以降許可日までの間、常時確保されていること
3.貨物自動車運送事業法施行規則第3条第2号に規定する添付書類は、別紙様式例2とする。
4.資金の調達については、次に掲げる書類の提出により判定する。
(ア)預貯金額の確認は、申請日時点、処分までの適宜の時点の残高証明書等の写しの提出
(イ)預貯金以外の流動資産は、運輸局長が認める場合は、預貯金以外の流動資産も含めることができ、申請日時点の見込み貸借対照表等をもって確認する。
5.事業計画の変更をしようとするものにあっては、資金計画に係る審査を省略する。

法令遵守

【役 員 法 令 試 験】

申請者・その法人の役員は、貨物自動車運送事業の遂行に必要な法令知識を有し、その法令を遵守すること。法令知識の確認のため、役員法令試験を受験して頂く合格して頂く必要があります。

【社 会 保 険 等】

健康保険法、厚生年金法、労働者災害補償保険法、雇用保険法(以下、 社会保険等という。)に基づく社会保険等加入義務者が社会保険等に加入すること

【申 請 者】

・貨物自動車運送事業法、道路運送法違反により申請日前3ヶ月(悪質な違反については6ヶ月)
・申請日以降に、自動車その他輸送施設の使用停止以上の処分又は使用制限(禁止)

の処分を受けた者ではなく、その旨の宣誓書の提出があること。


1.申請日前3ヶ月(悪質な違反については6ヶ月)の起算日は、その処分期間終了後とする。
2.業務を執行する常勤の役員には、相談役、顧問等として事業の経営に関与し、実質的に影響力を及ぼす者を含む。
3.悪質な違反とは

・違反事実若しくはこれを証するものを隠滅し、又は隠滅すると疑うに足りる相当の理由が認められる場合。
・飲酒運転、ひき逃げ等の悪質な違反行為又は社会的影響のある事故を引き起こした場合。
・事業の停止処分の場合。

指導講習・巡回指導

新規許可事業者に対しては、
・安全輸送に対する意識を高めるため許可書交付時等に指導講習
・運輸開始の届出後1ヶ月~3ヶ月以内に実施される地方貨物自動車適正化事業実施機関の適正化事業指導員による巡回指導(営業所、車庫、車両等の現況確認、関係法令の遵守状況)

指導講習の未受講者、巡回指導による改善が見込まれない場合等には、監査等を実施するものとする。

損害賠償能力

自動車損害賠償責任保険、自動車損害賠償責任共済に加入する計画のほか、一般自動車損害保険(任意保険)の締結等十分な損害賠償能力を有するものであること。
・任意保険等の加入を確保すべき事業者は、貨物用事業用自動車が100両以下の事業者
・加入すべき任意保険等は、原則として、対人賠償額「無制限」

石油類、化成品類、高圧ガス等危険物の輸送に使用する事業用自動車については
・上記任意保険に適合する
・当該輸送に対応する適切な保険に加入する計画等十分な損害賠償能力を有するものであること。 【適 切 な 保 険 と は】
1事故につき保険金額は最低1億円の賠償責任保険(担保危険を積載物の火災・爆発・漏洩に限定した保険。

許可に付する条件

1.新規事業者に対して、許可後1年以内に運輸を開始する旨の条件を付す。

2.運行管理者及び整備管理者の選任届を運輸開始前(整備管理者の選任届 については、選任後15日以内に運輸開始する場合にあっては、選任後 15日以内)に提出する旨の条件を付す。

3.新規事業者に対して、運輸開始前に社会保険等加入義務事業者が社会保険等に加入する旨の条件を付す。

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