巡回指導

巡回指導とは？

トラック協会から委託を受けた地方貨物自動車運送適正化事業実施機関による巡回指導のことです。

指導員が２名１組で訪問し、必要な書類を確認していきます。

　

期間は？

許可を取った３か月～６ヶ月後に行われ、、その後は２年に１度のペースで行われます。

巡回指導の日にちは事前に連絡が来ます。

巡回指導の連絡が来てから書類を作成するのではなく、日ごろから必要な書類は作成しておきましょう。

　

時間は？

２～３時間程度

巡回指導は、指導項目をもとに行われ、実施状況によりA～Eの5段階の評価がされます。

巡回指導によって悪質な法令違反が発見されたときは、その後監査が行われる場合もあるので気を付けましょう。

指導項目

事業計画等

1. 営業所に配置する事業用自動車の種別及び数に変更はないか。
2. 自動車車庫の位置及び収容能力に変更はないか。
3. 乗務員の休憩・睡眠施設の位置、収容能力は適正か。
4. 乗務員の休憩・睡眠施設の保守、管理は適正か。
5. 届出事項に変更はないか。（役員・社員、特定貨物に係る荷主の名称変更等） （本社巡回に限る。）
6. 自家用貨物自動車の違法な営業類似行為（白トラの利用等）はないか。
7. 名義貸し、事業の貸渡し等はないか。

整備、報告等

1. 事故記録が適正に記録され、保存されているか。
2. 自動車事故報告書を提出しているか。
3. 運転者台帳が適正に記入等され、保存されているか。
4. 車両台帳が整備され、適正に記入等されているか。
5. 事業報告書及び事業実績報告書を提出しているか。 　 （本社巡回に限る。）

運行管理等

1. 運行管理規程が定められているか。
2. 運行管理者が選任され、届出されているか。
3. 運行管理者に所定の研修を受けさせているか。
4. 事業計画に従い、必要な員数の運転者を確保しているか。
5. 過労防止を配慮した勤務時間、乗務時間を定め、これを基に乗務割が作成され、 休憩時間、 睡眠のための時間が適正に管理されているか。
6. 過積載による運送を行っていないか。
7. 点呼の実施及びその記録、保存は適正か。
8. 乗務等の記録（運転日報）の作成・保存は適正か。
9. 運行記録計による記録及びその保存・活用は適正か。
10. 運行指示書の作成、指示、携行、保存は適正か。
11. 乗務員に対する輸送の安全確保に必要な指導監督を行っているか。
12. 特定の運転者に対して特別な指導を行っているか。
13. 特定の運転者に対して適性診断を受けさせているか。

車両管理等

1. 整備管理規程が定められているか。
2. 整備管理者が選任され、届出されているか。
3. 整備管理者に所定の研修を受けさせているか。
4. 日常点検基準を作成し、 これに基づき点検を適正に行っているか。
5. 定期点検基準を作成し、 これに基づき、適正に点検・整備を行い、点検整備記録簿等が保存されているか。

労基法等

1. 就業規則が制定され、届出されているか。
2. 36協定が締結され、届出されているか。
3. 労働時間、休日労働について違法性はないか（運転時間を除く）。
4. 所要の健康診断を実施し、その記録・保存が適正にされているか。

法定福利

1. 労災保険・雇用保険に加入しているか。
2. 健康保険・厚生年金保険に加入しているか。

運輸支局への通報

速報事案

• 点呼を全く実施していない
• 運行管理者・整備管理者が全くいない
• 定期点検未実施

定期通報事案

• 巡回指導評価がEで、３月以内に改善報告が行われていない
• 巡回指導評価がEで、改善報告は行ったが未改善があり、再度の巡回指導において当該違反の改善が見られない
• 巡回指導の拒否
• 社会保険等の未加入

相談事案

• 名義貸し、白トラ利用等悪質など、法令違反がある場合
• 記録の改ざん
• 巡回指導評価がDで、3月以内に改善報告が行われていない

　

巡回指導はトラック協会から委託を受けた地方貨物自動車運送適正化事業実施機関が行うので監査ほど厳しいものではありませんが、D,Eの評価がつけられると監査の対象になることもあります。

巡回指導の連絡が来てからではなく、早めに書類等を準備しD、Eの評価をつけられないようにしましょう。