運行管理者とは?

貨物運送事業法関係

運行管理者とは?

自動車運送業を行う上で、安全な輸送を行わなければなりません。
安全な輸送を行うためには、ドライバーの労働時間、体調管理などの管理が必要です。
ドライバーの管理業務を行うのが運行管理者で、 自動車運送事業者は運行管理者を選任し、業務を遂行させることが義務付けられています 。

運行管理者の資格要件

運行管理者として選任するには、国土交通大臣から運行管理者資格者証の交付を受けている者

運行管理者資格者証を交付するには?

①運行管理者試験に合格した者
②次のいずれかの実務の経験その他要件を満たす者
・事業用自動車の運行管理に関し5年以上の実務経験を有し、かつ、その間に国土交通大臣が認定する運行の管理に関する講習(運行管理者等一般講習又は基礎講習)を5回以上受講した者。(同一年度の講習は 1 回とする。また、5回のうち少なくとも1回は基礎講習であること。)
・事業用自動車の運行管理に関し1年以上の実務経験を有し、かつ国土交通大臣が定める職務(独立行政法人自動車事故対策機構が行う運行管理者等講習の専任講師)に2年以上従 事した経験を有する者。

運行管理者等の義務  

1.運行管理者は、誠実にその業務を行わなければならない。  
2.事業者は、運行管理者に対し、運行管理の業務を行わせるために必要な権限を与えなければならない。  
3.事業者は、運行管理者がその業務として行う助言を尊重しなければならない。  
4.運転者その他の従業員は、運行管理者がその業務として行なう指導に従わなけれ ばならない。 5.運行管理者は、事業者に対し、事業用自動車の運行の安全確保に関し、必要な事項を助言することができる。

運行管理者の選任数

運行管理者数は、営業所のトラックの台数によって決められています。(運行管理者は他の営業所の運行管理者、運行管理者補助者を兼務することはできません。 )

トラックの台数とは

・事業用自動車の台数(エンジン付きの緑ナンバー)
・被けん引車を除く

事業用自動車の台数運行管理者数
~29台1人
30台~59台2人
60台~89台3人
以後30台増えるごとに1人ずつ増える

運行管理者の選任(解任)の届出

運行管理者を選任または解任したときは、届出事由の発生後一週間以内に運輸支局に運行管理者選任(解任)届出書を提出しなければなりません。

トラック運行管理者の業務(安全規則第20条)

1.事業者により運転者として選任された者以外に事業用自動車を運転させない。
2.乗務員が休憩又は睡眠のために利用できる施設を適切に管理する。
3.国土交通大臣が告示で定める基準に従って、勤務時間及び乗務時間の範囲内で乗務割を作成し、これに従って運転者を乗務させる。
4.酒気を帯びた状態にある乗務員を乗務させない。
5.乗務員の健康状態(1年ごとに1回、深夜業務の者は、6ヶ月ごとに1回健康診断)を把握し、疾病、疲労、その他の理由により安全な運転をし、又はその補助をすることができないおそれがある乗務員を乗務させない。
6.長距離運転又は夜間に運転する場合で、疲労等により安全な運転を継続することができないおそれがあるときは、あらかじめ交替運転者を配置する。
7.従業員に対し過積載運送の防止についての指導や監督を行う。
8.従業員に対し貨物の積載方法(偏荷重が生じないように積載すること。運搬中に荷崩れ等による落下防止のためのロープやシート掛けを行うなど)について、指導や監督を行う。
9. 運転者に対し通行の禁止又は制限等違反の防止についての指導や監督を行う。
10. 運転者に対して、点呼を行い、報告を求め、確認を行い、指示を与え、記録し及びその記録を 保存し、並びにアルコール検知器を常時有効に保持する。
11.運転者ごとに乗務記録を記録させ、その記録を1年間保存する。
12.運行記録計を管理し、その記録を1年間保存する。
13.運行記録計故障車は運行させない。
14.事故が発生した場合、事故の概要を記録し、その記録を3年間保存する。
15.運行指示書を作成し、適切な指示を行い、運転者に携行させ、その記録を1年間保存する。
16.運転者ごとに写真を貼り付けた運転者台帳を作成し、営業所に備え置くこと。
17.乗務員に対し、指導及び監督を行い、その記録を営業所に3年間保存しなければならない。
18.特定の運転者に対する特別な指導を行い、その運転者に対して適性診断を受診させる。
19.異常気象時において、乗務員に対する適切な指示及び輸送の安全確保のための必要な措置をとる。
20.事業者により選任された補助者に対して指導及び監督を行う。
21.自動車事故報告規則第5条の事故防止対策に基づき、運行の安全確保に関して、従業員に対し指導や監督を行う。 ※ 特別積合せ貨物運送を行う場合は、乗務基準を作成し、基準の遵守について乗務員に対し 指導や監督を行う。
22. 運行管理者は、事業者に対し、事業用自動車の運行の安全の確保に関し必要な事項について助言を行うことができる。
23. 統括運行管理者は、運行管理者の業務を統括する。

運行管理補助者とは?

1人の運行管理者が、24時間運行管理の業務をするのは無理があるので、運行管理者の補助として補助者を選任し、運行管理者の指示の下で、運行管理業務を行えるのが運行管理補助者です。

補助者の資格要件

・運行管理者資格者証(貨物または旅客)を取得していること。  
・国土交通大臣が認定する基礎講習を受講していること。

補助者の業務

・点呼の一部(少なくとも運行管理者が 3 分の 1を実施しなければならない)
・運行指示書に係わる資料作成及び運転者への伝達行為

補助者の選任については

運行管理者の補助として業務に支障が生じない場合に限り、 同一事業者のほかの営業所を兼務しても構いません。ただし、その場合には、各営業所において、運行管理業務が適切に遂行できるよう運行管理規程に運行管理体制等を明記するとともに、体制を整えておかなければなりません。

まとめ

運送業を行う上で運行管理者を選任しなければなりません。また運行管理者の方は、運行管理者の業務を理解して仕事を行いましょう。

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